バナナペーパー生産で農民の雇用創出・拡大を目指します

ハーベストタイムは、「東アフリカのコーヒー農民支援」とともに、コーヒーなどの換金作物を持っていない農民の支援に取り組んでいます。
ルワンダではバナナが多く自生し、主食の1つとして市場で売られています。バナナの茎や枝などは捨てられます。私たちは、こうした茎や枝から繊維を抽出してパルプに加工、(日本古来の)紙漉きの技術により、上質のバナナペーパーを製作することを試みています。
日本と違って、ルワンダの農村部では、電気も乏しく、紙作りに有用な化学薬品もありません。あるのは豊富な「人力」です。

豊富なバナナの木
バナナの木からパルプ作り

廃棄されている茎や枝から、自然に優しいエコ・バナナペーパーが製作できました

2年前より、全国各地の和紙の専門家に学びながら試行錯誤を繰り返してきました。中でも最もお世話になったのは、岩手県奥州市衣川にお住まいの相澤征雄さん。ご相談すると、わざわざ沖縄から芭蕉(沖縄バナナ)の茎を取り寄せて研究されました。そして相澤さんは、東日本大震災の被災者支援で御多忙の中、ご自宅を訪問した私たちに作業工程を一つ一つ教えてくださいました。

BP繊維を叩解してパルプ作り
岩手日報8月17日

2011年9月 バナナペーパー(BP)製作工房の建設に着手

上質のBP製作の見通しが出来たので、製作プロジェクトの拠点となる工房の建設に着手しました。
2011年9月、ルワンダを訪問、キブンゴに向かいました。キブンゴは、首都キガリからバスで東に約2時間、ンゴマ・ディストリクトにあります。町のほぼ中心のロータリーの通りから良く見える高台が予定地です。
現地の受け入れ先は、「COVEPAKI(キブンゴ手工芸品販売組合)」で、130以上の組合員が作るバスケットやアクセサリーなどの製品を展示し、販売を促進する組合です。加えて洋服のリフォームやクリーニング(といってもオール手洗い)サービスなども請け負う、近隣の人達が気軽に立ち寄る、日本でいう「コンビニエンスストア」と言えるかな?そんな存在です。

COVEPAKIの建物
BP繊維を煮る

キブンゴ手工芸品販売組合(COVEPAKI)がBP製作工房建設を受け入れ

プレジデントのパスカル氏と6人のスタッフは、初めてお会いしたとは思えない何だか懐かしい感じのする人達で、バナナペーパーの工房建設を快く受け入れてくださいました。
先ず、建築申請のためディストリクト・オフィスの建築課を訪ねました。何点かの質問にパスカル氏が答えて、許可が下り、その後、COVEPAKI、ハーベストタイム、施工業者との三者契約を行いました。
翌朝組合事務所に行くと、焼き煉瓦やセメントが高く積まれていて、既に土台作りを開始していました。

建設地
建設地にレンガの壁が出来ていきます

BP製作工房の完成は10月末を予定

工房は10月末には完成の予定です。パスカル氏はミーティングで「この地からバナナペーパーを全国に広めたい。」と挨拶され、私どものバナナペーパープロジェクトに大いに期待されていました。
この工房で上質のバナナペーパーを製作、そしてクラフト製品の生産を開始します。国内での販売や土産物による収入の確保により、雇用の創出・拡大を目指します。
現地でパートナーとして協力してくださっているのは、COVEPAKI に配属されているJICA青年海外協力隊員の長原亮太さんです。

建築設計の打ち合わせ
コーポラティブの人達と

今後、長原さん、COVEPAKI のスタッフ達と協力し合い、Made in Kibungo バナナペーパーを、ルワンダ国内また日本でも早くご紹介できるよう、そして、この紙作りが農民の生活向上に寄与できるよう、ビジネスとしてのシステム作りやマーケット開拓を進めていきたいと考えています。


工房建設費用は、HATコーヒーの販売収益および会員の年会費を充当

工房建設の費用は、HATコーヒーの販売収益および会員の皆様からの年会費・ご寄付を充てております。心より感謝申し上げます。