今回の訪問に当たり、バナナ・ペーパー（BP）クラフト製品を現地で活用出来ないか検討してきました。考えたのは、この数年、東アフリカのエチオピア、マラウィなどで取り組んできた「学校や教育施設への学用品プレゼント」との“コラボ”です。
そこで、新たな試みとして日本で製品を買い取るだけでなく、厚手のバナナ・ペーパーでペンケースを製作し、現地の学校に贈呈する計画を立て、事前に日本よりサンプルを送り、製作を依頼しました。
工房に到着したときは、既に、贈呈用の100個と、スタッフ用に22個のペンケースが出来上がっていました。

HATは、このペンケースに鉛筆と消しゴムを入れて、毎月「100個ずつ公立学校に贈ろうキャンペーン！」を、来年1年間を通して実施します。
バナナ・ペーパー（BP）ペン・ケースを生産することで、HAT工房のスタッフは、毎月の基本収入を得られ、そして公立学校へ贈呈をすれば、工房と学校の双方がハッピーになるプロジェクトです。贈呈先の学校は、Covepaki が市役所に相談して、決めていくことになります。

第1回目の贈呈は、今回の訪問中に実現しました。
Covepaki から5Kmの小・中学校「NYMGALI・School」へ、ローカルバスで向かい、生徒たちに直接手渡しできました。
学校の入り口付近には既に生徒達が待っていました。そして中に入るにつれ、沢山の子供たちが駆け寄ってきて、前に進めなくなったほどです。

校長先生に、HATの活動について、またバナナペーパー・ペンケースについて、手短に話すと、「今後も継続的に支援してほしい！」と言われ、直ぐに感謝状を書かれていました。各教室に分かれての代表への授与は、子供たちのパワーに圧倒されっぱなしでした。

今回、訪問した公立学校の状況、また生徒たちの様子から、多くを考えさせられました。この学校の生徒達は恐らく貧困層の家庭から来ていると思われます。キブンゴで知り合った何人かの人に聞いたところ、多少無理をしても私立に通わせる家庭が多いようです。学習内容が全然違う、と話していました。
訪問した学校の生徒数の多さ（小学生：1229名、中学生：657名）と、それに比して先生は小・中合わせて43名。また、あまりにも粗末な校舎、これで勉強できるのかな？と思われるほどです。また生徒の服装などから、キガリで見た（外からでしたが）私立学校と比べて、ルワンダ社会の貧富の大きな格差が、そのまま教育現場に反映されていると、改めて感じさせられました。

“BPペンケース & スクール・キャンペーン”は、Covepaki の協力を得て、今後1年間継続いたします。
このキャンペーンを通して、子供達が勉強する意欲を強くするとともに、自分たちの地域で破棄されるバナナ幹から筆箱ができる“喜び”、また、自分たちの地域の大人が作っているとの“誇り”を持ってくれたらと期待しています。