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紙以外に活用できないか?
バナナ紙の材料は、幹の外皮から繊維を取り出し使いますが、それ以外の部分を何とか活用できないか?と考え、今回のルワンダ訪問では、女性の必需品「生理用ナプキン」の試作にチャレンジしてみました。
バナナの幹を伐採すると、中から果実のように豊富な水分が溢れ出ます。手は濡れてグチャグチャに、衣類に付くと取れなくなります。 そして幹の外皮と内皮の中間部分を乾燥させると、縦横に走る海綿状の組織があらわれ、保水効果バツグンなことに気付きました。我が家で石垣島から送ってもらったバナナ幹で実験しましたが、吸水性も問題ありません。 また、内皮は生の状態だと大変薄く柔らかいのですが、乾燥することで組織が固まり遮水効果もバッチリです。これらの優れた特性を生かし、破棄されるバナナ幹から、誰でも手作りでできる安価な生理用ナプキンができないかと考えました。
バナナ幹の断面
内皮と中間部分
バナナ幹の断面
内皮と中間部分

表面の紙も、時間の経過とともに自然(土)に還ることが必須
ルワンダでは都市の一部を除いて、大半のトイレは、いわゆる「ボットン便所」です。(水洗トイレはパイプを詰まらせるのでナプキン類は流せません。)
つまり、使用したものをそのまま捨てても、時間の経過とともに自然に還るような製品であれば良いわけです。そして、表面の紙も同様に自然に還る(分解される)ものが求められます。 当初たまたま自宅にあった「リード・クッキングペーパー」に少し水を垂らしてみました。肌触りが大変ソフトでスポット吸収に優れていることから、「理想的!これを使おう!」と思いました。ですが製造元に問い合わせたところ、「水に溶けず、分解されて土に還元されるということはありません。」とのこと。そこで止む無く、パルプ100%のペーパータオル4〜5種類ほど試した中から1種類を決め、試作品用として持参しました。

現在、“誰でも手作りで出来る”試作品のテスト中です
BP紙漉き実習授業の準備と併せて、ナプキン作りにも取りかかりました。 ピーラーで、紙用に使われる外皮を薄く削ぎ取り、それ以外の部分を天日に干します。乾燥後大きさによって選別し、小さいものは細かく裂き、しっかり叩き柔らかくして使います。
ピーラーで外皮を取る作業
乾燥風景
試作品
ピーラーで外皮を取る作業
乾燥風景
試作品

コベパキの女性スタッフ、バナナ紙製作スタッフ、その他現地の女性協力隊員にサンプルとして渡してきました。隊員の方に聞くと、地方の女性達がナプキンを入手するのは困難なようで「彼女達に使ってもらいます。」とのことでしたので、果たしてどのような反響が届くか?また、どんな改良が必要となるか? 皆さんからの感想・ご意見を楽しみにしています。