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2月9日(月)、東京学芸大学附属国際中等教育学校(東京・練馬区)、第一学年「国際教養」の授業で、HATの活動「ルワンダで、バナナの紙が仕事をつくる」について講演しました。
※同校は、中高6年間の一貫したカリキュラムのもと、世界に生きる学力と教養を身につける、多様な表現やコミュニケーション能力を育む、などの目標を掲げ、国際教育に力を入れている学校です。
「国際教養」の授業では、学外からゲストティーチャーを招いて講演会などを行っています。
http://www.iss.oizumi.u-gakugei.ac.jp
なお、今回の講演は、(これまでHATの活動を応援いただいている)同校教諭の古家正暢先生のご紹介で、実施の運びとなりました。

当日は、13:20〜、同校総合メディアセンターで、4クラス計109名の生徒を前に、(休み時間を挟んで)約1時間半。
古家先生から紹介を
コーヒーからバナナ紙へ
古家先生から紹介を
コーヒーからバナナ紙へ
講演内容は、「HATの9年間の活動の歩み」
(前半)エチオピア、マラウィのコーヒー農民の暮らしの実情、また農民支援の取り組み
    ⇒都市部と農村部の格差の拡大、特に換金作物を持たない農民の貧困の現実
(後半)ルワンダで、廃棄されているバナナ茎から紙を作り、雇用(就労)の機会をつくる
    出来る限り、生徒に理解、実感してもらえるよう、スライド写真を使い、現地の様子について、また体験や苦労したこと、多くの方が手を差し伸べて下さった点などを伝えました。

バナナ茎からの「繊維取り出し体験」、大いに盛り上がりました
また、途中で、(石垣島の知人から送ってもらった)バナナ茎を使って、生徒代表に「繊維取り出し」を体験してもらいました。引き続き休み時間には、興味のある生徒(ほぼ全員)が前に出て繊維取り出しに挑戦。皆、興味津々で一生懸命、大いに盛り上がりました。
これがバナナ紙です
バナナ茎から繊維を取り出します
繊維を取り出し
これがバナナ紙です
バナナ茎から繊維を取り出します
繊維を取り出し
バナナ繊維です
僕も私も取り出しに挑戦
これから紙が出来るの?
バナナ繊維です
僕も私も取り出しに挑戦
これから紙が出来るの?
最後は質疑応答です。生徒達にとって、アフリカの人々やその暮らし等については、程遠い存在なのでは?と感じられました。
質問に答える
多くの方々の応援をいただきました
質問に答える
多くの方々の応援を
いただきました
生徒達からの励ましのプレゼント!
講演終了後、生徒達は、本日の感想を「漢字一文字」そして「その漢字を選択した理由」を書いてくれました。後日、古家先生から全員の感想メモが届きました。

私の話をどこまで理解してくれたか、心配しておりましたが、感想メモを見て、その多様な受け止めに、ビックリしました。
生徒達が、聞いた話を理解するだけでなく、そこから自分としての目標や行動を自ら考える、そしてそれを言葉にする、これは、日頃からの教育の賜物と感じました。先生方ご苦労様です。
この感想メモは、私こそ大変勇気づけられた、生徒達からの励ましのプレゼントでした。

沢山のメモの中から、いくつかご紹介します。(原文のまま)

  • ●「立」
    • 自分でみずから立って行動することによって、一つの国の独立、そして格差を縮め、助けることができる。それを実行してすごいなと思った。物事を考えるのはだれでもできるが、それを行動に移すのは勇気が必要でそれなりの覚悟が必要だ。自分も今日この話を聞いて、いつか津田さんのように自分でとった行動が人助けになるといいなと思った。
  • ●「自」
    • 津田さんは、ルワンダ、エチオピアなどの国を少しでもよくするために自ら働きかけているから。また、その国の人々の助けになるためには、何かをあげるだけではなく、その人たちが自分たちで仕事できるようにすることが大切だとわかったから。
  • ●「成」
    • 捨てられていたバナナの茎を使って紙をつくることを思いついたことはすごいと思いました。また、バナナで紙をつくると思いついてから、形になるまで大変であったこともたくさんあると思うけれど、あきらめずに完成させてとても学ぶものがありまし た。リサイクルでみんなの日常に使うものをつくれるところがいいです。今日は本当にありがとうございました。
  • ●「緑」
    • ルワンダの人が、自分たちで仕事できるようになる。しかもリサイクルで環境に害がない。…そんな素敵なアイディアを実行するまで本当に大変だったと知りました。でも、その結果、アフリカの子どもたちの生き生きとした様子が見られた。100%自然の中のものが本当にいいなと思いました。
  • ●「芽」
    • 先進国の僕たちが遅れている国にできることは物資を送る、お金を渡すなどの「種」を渡すのだけでなく、現地の人々が、そこから「芽」を出せるようにしてあげることも手助けになるのだと思う。
  • ●「勇」
    • 私は暗いところも苦手だし、食生活の変化もたえられないから、ルワンダやエチオピアに行けるのはとてもカッコよく勇者のように思えたからです。どれも勇気のある行動だなと思いました.
  • ●「勢」
    • 私は挑戦しようと思ったことを踏みとどまってしまう。だから、一度やろうと思ったことに、とてもエネルギッシュで勢いのある姿勢の津田さんを尊敬します。
  • ●「共」
    • 私は共にルワンダの生活を変えていっていることを知り、共という字を選びました。日本人だけががんばるのだけではなく、向こうのルワンダの人も一緒に紙作りを行っていたので凄く良いなと思いました。
  • ●「進」
    • ルワンダの方々に送るだけではなく、一人だけで作れるように考えを進めていたり、進んでルワンダへ渡ったりしていたからです。バナナの繊維ぬきとても楽しかったです。(片づけまかせてしまいごめんなさい。)Thank you
  • ●「独」
    • 人はみんな、この「独」という字を見て、真っ先に思い浮かぶことは「孤独」かもしれません。支援がくるまでは孤独に頑張り貧しい生活をしてきたかもしれない。しかし、津田さんの活躍や頑張りのおかげで、次は何が送られてくるのかなと期待するのではなく独り立ちすることをルワンダの人々は学んだのだと感じた。私にも何ができるか考えたい。
  • ●「想」
    • 「乗り物がないから不便だろうな」「捨てるならこれを使って作ればエコになるんじゃないかな」などと、自分の意見だけではなく、その人のことを想って「自分に何ができるか」考えることが大切だなと思った。
  • ●「変」
    • 向こうでルワンダの人たちの生活を変えたことがすごいと思った。少しのことでも向こうの人にとって支えになるということはいいと思った。私も将来津田さんのような人になりたい。
  • ●「発」
    • 津田さんはいろいろなことをしているけど、発想がないとできないことだと思う。また、勇気を出して行動をおこさないと何も始まらないので、現時点の問題があるところからの出発やそのもととなる発想を表すつもりで、この字を選んだ。
  • ●「心」
    • 決して安全ではない国に何度も行くことは覚悟と強い「心」が必要だと思います。この話を聞き「心」は、とても大事なんだと思いました。僕も「心」を大事にしていきたいです。ありがとうございました。

※上記「生徒の感想および写真」の掲載について、同校の許可をいただいております。