※写真をクリックすると拡大します。
十和田市教育委員会主催、Kyosokyodo(共創郷土)協力で、7月11日に開講された「寺子屋稲生塾」で講演しました。
   о寺子屋稲生塾  http://citytowada.exblog.jp/24192693/
平成21年度開講のこども講座。毎年6回の講座を通し、新渡戸稲造の開拓精神、武士道精、郷土愛を培うことを学んでいる。
   оKyosokyodo(共創郷土)  http://www.kyosokyodo.jp
   新渡戸記念館(後述)の地域博物館機能をサポートするボランティア団体

新渡戸稲造のように世界に羽ばたく子供たちに
稲生塾では、国際的に活躍した新渡戸稲造にちなみ、「世界に羽ばたく子供たちに」との趣旨で、毎年1回「世界と友だち」のテーマで、世界の国々の歴史・文化・生活を学んでいます。
今回は、エチオピアの概要・歴史・文化の紹介と、ルワンダでのバナナペーパー作りの模擬体験、そして最後に、会場の十和田富士屋ホテル料理長の協力で、エチオピア料理(を子供用にアレンジしたもの)も提供され、目と舌で文化を感じて欲しい、との贅沢な企画でした。

当日は9時からの開講です。児童(36名、小4〜小6)と保護者(15名)が参加。市教育長もお見えになっていました。教育委では、参加者のために、エチオピアの魅力・HATの活動をクイズ形式にしたカラー・テキストを用意されていました。
寺子屋稲生塾
テキスト・エチオピア
テキスト・HAT
寺子屋稲生塾
テキスト・エチオピア
テキスト・HAT
3000年の歴史を刻むワンダーランド「エチオピア」
エチオピアは、アクスムやラリベラなどの世界遺産を現代に伝え、文字や機織り技術を有するアフリカ唯一独立を維持してきた国です。子供達にとって、初めて聞くエチオピアやルワンダなど東アフリカは、どの様に映ったのでしょうか?話の合間に質問をして、子供たちの反応を確認しながら進めました。
エチオピアって、とってもワンダーランド
農村の暮らしを紹介
ジャバナとコーヒーカップ
エチオピアって、とってもワンダーランド
農村の暮らしを紹介
ジャバナとコーヒーカップ
特に伝えたかったのは、農民の暮らし、また子供たちの様子です。どんな家に住み、どんな生活をしているのか?また学校の様子など、写真映像を見せながら説明しました。質問には何人かの子供が手を挙げ、ハキハキと答えます。例えば「エチオピアの農村に暮らす子供達は、水汲みや放牧、子守などの手伝いをよくします。皆さんは、どんな手伝いをしていますか?」と尋ねると、多くの手が挙がり「買い物、掃除する、ご飯を作る、・・・etc.」、色々な反応が返ってきました。

以下は、後日市教育委員会から送られてきた、エチオピアの話に対する子供たちの感想(抜粋)です;
・エチオピアの暮らしや、コーヒーのことがよく分かった。
・エチオピアの話が楽しく、現地のこともよく分かった。
・エチオピアについて、現地の話が聞けて、イメージが変わった。
・エチオピアのことをお父さんに教えてあげたい。日本より小さい国(人口が?)でも、幸せに暮らしているので安心した。
エチオピアの子供達は良くお手伝いをします
エチオピアは遠くて近い国ですね
コーヒー生豆&焙煎豆
エチオピアの子供達は良くお手伝いをします
エチオピアは遠くて近い国ですね
コーヒー生豆&焙煎豆
全員で 「バナナ茎から繊維の取り出し」体験実習
休憩の後は、ルワンダで実施している「バナナペーパー作り」の体験実習です。沖縄・石垣島より送っていただいたバナナ茎から、繊維を取り出す実習です。初めて見る、また触るバナナ茎からの繊維の抽出に、生徒たちは悪戦苦闘、初めから上手くはなかなか出来ません。思ったより力が要ると感じた生徒や、「きゅうりやスイカの匂いに似てる」などと言いながら、真剣に取り組んでいました。体験終了後に、「簡単でしたか?」と聞くと、「難しかった!」との返事。ルワンダでバナナペーパーを作っている人達の苦労を、少しでも感じてくれたでしょうか?

さて繊維取り出し実習に対する、子供たちからの感想(抜粋)は;
・取り出しに、こんなに力が必要なのかと思った。
・繊維を取り出すのは少し難しかったけど、とても楽しかった。
・バナナの繊維を取り出すとき、スイカの匂いがした。
・バナナの繊維から作る紙で、何かを作ってみたかった。(紙を作ってみたい)
・バナナの幹を切るところからやってみたい。
・繊維の研究をしてみたいと思った。

短時間の実習でしたが、子供たちは多くの事を感じたようです。やはり自分の体で感じた事は、体験として刻まれるように思われました。
皆さんに繊維を取り出していただきます
バナナの茎
皆さんに繊維を取り出していただきます
バナナの茎
真剣な繊維取り出し
教育長さんも見学
真剣な繊維取り出し
教育長さんも見学
最後は、料理長苦心の力作、エチオピア料理のお披露目
インジェラは、クレープとホットケーキ両方の美味しさを兼ね備えた様にフワフワと、またワットは本来シチューという意味ですが、子供向けに辛さを抑え、食べやすさを第一に考えた、見た目もきれいな十和田風エチオピア料理が提供されました。料理長からの説明のあと、皆で手を合わせて「いただきま〜す!」。子供たちは美味しそうに、ペロリと、たいらげていました。
エチオピア料理
香り高いモカ・コーヒー
エチオピア料理
香り高いモカ・コーヒー
参加した子供たちは、みんな私語も無く真剣に聞いていて、質問には手を挙げ明快に元気いっぱい発言します。また一つ一つの行動も礼儀正しく、さすが稲生塾で武士道や郷土愛などについて、常日頃から学んでいる賜物であると感じました。

−意外なゲストも参加−
「日本の和紙の文化が、アフリカの地で受け継がれている。」(轡田隆史氏)
新渡戸記念館を訪問されていた轡田隆史氏(ジャーナリスト、元朝日新聞論説委員)が、稲生塾の途中から参加されました。子供たちと一緒にルワンダ・キブンゴのバナナペーパー・プロジェクトの話を聞いてくださり、子供たちの体験実習も見学されていたのです。
そして塾の終了後、サンプル用に持参した、ルワンダで漉いた100%ピュアのバナナ紙をしっかり胸に抱え、後方に控えていた私の所に来られました。ご自身が書や和紙に強い関心を持っていられるとのことで、伝統的な和紙の生産地を訪問されていると、話されていました。そしてバナナ紙を丁寧に見ながら、「このバナナ紙は素晴らしい。日本の和紙の文化が、こうしてアフリカの地で受け継がれている。いや〜!嬉しいですね。」と、言っていただきました。
轡田氏にBPを紹介
運営スタッフ(エチオピアから?)
轡田氏にBPを紹介
運営スタッフ(エチオピアから?)