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市民の活気ある素顔に、元気をいただきました。
11月15日、「FIDESCO-Rwanda (フィデスコ・ルワンダ)」の養護施設を訪問しました。
※「FIDESCO」は「Foudation Internationale pour le Development Economique,Socio-Spirituelle,au Service de la Cooperation(経済、社会−精神的発展のための国際協力基金)」の略です。Rwanda共和国公認非営利団体登録です。 |
ホテルからタクシーで坂を一気に下りました。坂の上部、日当たりの良い所には、裕福な人達の大きな家々が並び、下がるほどに粗末な家や店が目立ち、日頃TVが伝える貧しいアフリカ、そんな光景に変わってきました。そして、坂の一番下に清楚な教会が見え、その同じ敷地内にFIDESCOの建物がありました。 |
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キガリには、貧しさのため田舎から出てきて日銭を稼ぐ子供達、虐殺で親を殺されたり、父母の離婚で居場所を失った子供達、またエイズ孤児達が、生きるため路上に集まってくるとのことです。
FIDESCOは、こうしたストリートチルドレン(9歳から18歳まで)の養護施設で、収容した子供達に、一時的に食事や眠る場所を提供し、学校に通えるよう教育費や学用品を準備したりします。また、親元に戻れるよう家庭調整やカウンセリングなども行っています。読み書の基本や簡単な計算なども教え、また16歳以上の子供には職業訓練も与え、社会復帰させることを目指しています。 |
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JICA青年海外協力隊・加藤悦子さんがスタッフとして活躍
この施設で、青年海外協力隊の加藤悦子さんがソーシャルワーカーとして元気に働いていました。加藤さんの話によると、現在の収容人数は約80人、しかし、お昼頃になるとどこからともなく子供達が集まってきて、ランチ時には120〜160人に膨れ上がるとか。食事係は、朝食の準備を午前3時から始め、9時から12時の間にランチと夕食分を作り、一休みして、また明け方から働くと話していました。作っていた食事は、トウモロコシの粉に煮干の様な小魚を混ぜて捏ねたものや、野菜の煮付けのようなものでした。予算が足りないので苦労している、とのことでした。
敷地内では、自給できるよう野菜も作っていました。 |
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加藤さんの案内で、施設内の各部屋を見学。子供達もついてきました。食事室やベッドのある部屋の先には、身体を洗うタイル張りのスペースなども見えます。加藤さんが子供達に現地語で話しかけると、皆甘えるように応えているのが印象的でした。スタッフは子供達にとって兄や姉のような存在であり、温かい信頼関係が築かれていると感じました。
加藤さんは「最初連れてこられたときの(これまでの路上生活で身に付けた)他人を威嚇する態度、精一杯強がる態度が、周りの愛情で少しずつ穏やかな普通の性格に変わってきます。でも、中には、再び路上生活に戻りシンナーやマリファナでインスタントな快楽に依存する子もいます。」と語っていました。スタッフ(教師)のご苦労を、僅かですが、感じられたように思います。 |
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教師の一人アシャンテ氏に、HATメンバーからのノートやボールペンを贈りました。氏は「来期の試験で頑張った生徒に、ご褒美として渡します」と、大変喜んでいました。 |
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社会復帰のために職業訓練………牛の角製作工房を訪問
16歳以上になると、施設から大工、溶接などの職業訓練校に通います。特に、この施設独自の職業訓練として、屠殺された牛の角を使った工芸品の製作指導をしていました。
加藤さんの尽力で、2007年11月、彼らの働く工房が完成。毎年5〜6人の生徒を推薦し指導しています。現在は、5人の元ストリートチルドレンが実習しているとのことで、早速見学に行きました。作業場の裏庭には、牛の角が山のように積んでありました。この角を切断し加工したあと、ひたすら研磨すると自然な光沢のある、ブレスレットや指輪、髪飾りなど、またランプ・シェィドやカップなどの製品に仕上がります。ニスなどは一切塗らず、どの製品も全て手作りで世界に唯一つの作品です。デザイン、色つや、優れたものばかりでした。
現在、これらを販売して彼らの自活を支えています。加藤さんは「製品の販売先を拡大し多くの元ストリートチルドレンが自活できるようにしたい。」と熱っぽく話していました。
訓練生にHATからのノートとボールペンをお渡ししました。 |
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