“布バナナナプキン” ― ルリンド郡3校に贈呈開始

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“布バナナナプキン・プロジェクト”  バナナペーパー作りからヒント! 

2011年から本格的に始めたルワンダでの「バナナペーパー・プロジェクト」。スタッフ達と一緒に茎から繊維を取りだす過程で、茎の内部構造、つまり中心に向かって幾重にも重なる層、その各層の薄い外皮が内側の水分をブロックし、茎全体が十分な水分を保有していることを知りました。この事から、バナナ紙の製作と合わせて、生理用バナナナプキンは作れないか?と考えるようになりました。ルワンダの地方では紙ナプキンを買えず、布を当て、しかも頻繁に交換しない、登校を控えるなど、そして生理のメカニズムを知らずにただ忌み嫌うなど、そんな女の子が多くいると聞いたからです。
そこで2014年、日本からキッチンペーパーを持参し、乾燥した各層の外皮を使って試作し、ンゴマ郡内のJICA女性協力隊員に試してもらいました。吸収力また漏れないか等についてはOKでしたが、キッチンペーパーをキガリで見つけることが出来ませんでした。それでは耐水性の高い種類を日本から送ろうとメーカーに確認すると、化学薬品を使用しているため土中に埋めても土には戻らないとのこと。止む無くキッチンペーパーを布に代えて色々トライしましたが、主にBP製品のプロモーションが忙しく、加えてコロナで渡航が叶わなくなり、布バナナナプキン・プロジェクトを新たに開始できずにいました。止めようか?との思いもよぎりましたが、未だ身体は動く!と自身を励まし、コロナが少し落ち着いた2022年9月~10月に渡航し、「布バナナナプキン・プロジェクト」を開始しました。

2022年10月から、Rulindo (ルリンド)郡内の3校で贈呈を開始

幸いキガリ在住の知人がルリンド郡(Rulindo District)の教育長に繋いでくださり、教育長が郡内3校をリストアップしてくれました。キガリ到着後すぐに、日本で授業用に作った「生理のメカニズムを子宮のイラスト画で説明している」大きなポスターと、布バナナナプキン・セットを持って、教育長を訪ねました。ポスターを見せると教育長から思わぬ言葉が…「ルワンダでは、この様な直接的な描写は見せていない!」、そして「僕も初めて見た!」と。「ん?」教室での使用は難しいかな?と一瞬思いきや、教育長はすぐに「いや!これを使って説明してください。やりましょう!」と言われ、実施が決まりました。
「布バナナナプキン・セット」は、ナプキン6枚、ホルダー2枚(ナプキンを固定する為の)、バナナの皮2枚をケースに収めたものです。 まずは当初予定した1学校60人分のナプキン・セット(ナプキン360枚その他)の製作を、紹介された縫製組合に、布やホック等の材料、日本から持参したピンキング鋏や型紙を渡して依頼しました。ところが縫製代のアップを数回要求され、しかも完成したセットのナプキン数が足りません。やむを得ず1人ナプキン5枚、55人分を用意し、学校に連絡して了解してもらいました。
10月4日午前10時、最初の学校GS Musenyiに、スタッフのセレステと共にナプキンを持って訪問しました。到着後まず校長と担当の先生に、説明用ポスターとナプキンを見せると、校長は「衛生学的に素晴らしい!」と言われ、ナプキン・セットも「ホゥッー!」と好意的です。早速生徒達が待つ教室へ移動です。途中生徒達が歌や踊りで歓迎してくれました。教室には100名ほどの生徒が待っていました。事前に伝えた数を超えています。聞くと、「少しでも多くの生徒達に知って欲しいので」とのこと。

生徒達から「使用後のナプキンは?」「どこで買えますか?」等の質問が

生徒達は瞳を輝かせて、興味津々な面持ちです。まず全員にナプキンを一枚ずつ配り、装着方法や使い方を説明しました。皆な真剣に聞いていましたが、何人かの生徒から予想通りの「使用後はどうするのですか?」と、さらに「どこで買えますか?」等の質問が。これには「どこの店でも使っている茶色の紙袋に使用後のナプキンを入れて、それをセットのケースに入れて持ち帰って洗う」と、実物を見せながら説明しました。また、「どこで買えるの?」との問いは、プロジェクトの第2ステージのテーマです。
次にポスターを見せながら生理のメカニズムに関してセレステが説明すると、多くの生徒が手を挙げ、自分の周期は○日だけど大丈夫だろうか?また数か月に一度程度は?等の質問が次々に出て、セレステも対応に汗をかくほど、最後は先生がまとめてくれました。恐らくこのテーマについて詳しい話を聞いたり、不安を感じて質問や相談する機会が無いのではないか?そんな状況が垣間見られました。

校長先生から 「今度いつ来てくれますか?」

終了後校長また担当の先生が途中まで送ってくださり、道々「今度はいつ来てくれますか?」と引き続きの支援を期待されました。なお生理中の生徒のため、各学校に保健室の様な部屋を用意していると聞きましたが、案内された部屋は実際にどこまで機能しているのかな?といった感じでした。2校目のGS Rutaboへは10月25日、3校目のGS Mahazaへは11月25日に、セレステとナプキン・セットの製作を担当したムギシャが訪問しました。いずれの学校も生徒達が高い関心を示し、どこで購入できるのか?等の質問が出たと報告がありました。

ンゴマ郡でも「布バナナナプキン・プロジェクト」開始への一歩を踏み出す

ルリンド郡でのナプキン贈呈のあと、ルワンダで最初にバナナペーパー作りを始めたンゴマ郡へと移動しました。ンゴマ郡の職業訓練校BPコースを卒業したロバートとガサナから、注文していたバナナ紙を受け取るため、そしてンゴマ郡に派遣されているJICA協力隊員の太田智美さんに会うためです。さらに布バナナナプキンの実施について、ンゴマ郡庁を訪ねたいと考えていました。事前の予約は取れていませんでしたが、以前郡内でBP教育プロジェクトを2年にわたり実施しており、BP工房も郡庁の隣にあったことから、一人で訪ねてみよう!と考えていました。到着翌日7日(金)朝、太田さんがホテルに来てくれて、まずは相互で簡単な自己紹介をしたのち、予期せぬ展開が!!太田さんから「すぐ郡庁に行きましょう!私が所属している部署の課長に、教育長に繋げてくれるよう話してあります」とのこと。早速ンゴマ郡教育長に会える運びとなりました。
郡庁で教育長にお会いし、持参した授業用ポスターとナプキン・セットを見せて趣旨を説明すると、「ビジネスではないですね?」と念を押され、「それでは知事にレターを書いてください」と言われ、要望通りに提出。ルリンド郡と合わせてンゴマ郡でも、布バナナナプキン・プロジェクト開始への一歩を踏み出すことができました。