ルワンダ訪問(3/6~3/12)
―新製品の試作とBPクラス開設準備―

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3月6日から12日までルワンダのキガリ、キブンゴを訪問しました。

今回は、①BPランプシェードの新製品の試作と、②来学期(5月)からキブンゴの職業訓練学校で開設される「バナナペーパー・クラス」の準備のためです。

この時期は雨季から乾季への変わり目で、日中は強い日差しで気温がかなり高く埃っぽい感じですが、午前中の早い時間や夕方は涼しい風が吹き、またいきなり雷が鳴り響き雨になったりしています。

【ウブランガ・アーツスタジオでアーティスト達と新製品製作の作業】

第1日目と2日目は(3/7, 8)は、ランプシェードやカードなどのクラフト製品の品質や進展状況の確認、そして新製品の紹介・試作です。

スタジオに到着すると、嬉しい報告が待っていました。それは、ケニアのアーティスト協会会長が「バナナペーパーの、そしてランプシェードの作り方をケニアに来て教えて欲しい。」と要望し、オーガスティンともう1人との2人で、8月にケニアを訪問するとの事でした。

アーティスト達は、自らバナナペーパーの品質向上に真剣に取り組んでいて、スタジオ内あちらこちらに、BPランプシェードが置かれ、彩を添えています。購入者へは、例え遠方であっても、しっかりとした箱詰めで送る用意も整えられていました。

ただし問題は、プラグやコード、on-off スイッチやソケットなど、現地調達部品の品質がかなり悪いのです。例えば、ビニールコードのビニールを剥くと中の銅線は5・6本しか入っていないため故障しがちです。電気部品の接続不良による故障が悔しいと、話していました。(ちなみに日本のコードには銅線がビッシリ入っています)
さてその後は、新製品の紹介です。新製品とは、捨てられるペットボトルを使い、ルワンダの伝統的なアガセチェとの組み合わせで作るランプシェードです。果たしてアーティストたちの反応は?いささか不安でしたが、彼らは高い関心を示し、より素敵な製品にしたいとの試作しながらの話し合いになりました。

【良質・安価の電気部品を求めて、ギソジ地区へ】

終了後は、キガリの秋葉原“ギソジ地区”へ、ランプシェード用の電気部品を購入するため向かいました。

品質が良く少しでも安価な部品を探し求めるには、何軒もの店を周る必要があります。各店で、品質を確認し、求める商品だった場合は、値段の交渉といった具合で、時間・労力が半端でなく大変でした。基本的には現地の部品を使う、と伝えていますが、「久美子が今度来るときは、あれを、これを、持ってきて欲しい」と、つい申し出る彼らの気持ちが理解できたように思いました、

【バナナ茎の皮を材料に】

一般的なアガセチェの材料は、サイザル麻とナイロン糸が使われていますが、「バナナ茎の皮を使ったらどうか?」との提案がでました。早速生産に携わる青年に確認すると、翌日材料を揃えてくれることになりました。

2日目(3/8)は、JICA青年海外協力隊員の園田さん、西本さんが合流し、製作作業が始まりました。この日はめずらしく朝から大雨で、昼過ぎまで止まず肌寒い陽気でした。初めは、ペットボトルに思い通りの絵付けを施す作業です。次は、伝統的クラフトの「バナナ皮」をどの様なシェイプに?サイズは?,etc. 皆で意見を出し合いましたが中々スムーズには捗らず、翌々日再度取り組もうという事になりました。
この日参加した園田さんから、終了後に感想メールが寄せられました。「新しいアイデアで、アーティスト達がとても楽しそうに作業しているのが印象的でした。今後の彼らのプロモーションに期待大ですね!自分でも作ってみて改めて綺麗なバナナペーパーのアートに驚いておりました。私もルワンダのハンドクラフトをサポートしたい者として、教え方やアイデアの出し方など色々勉強させて頂き、感謝申し上げます。」 

最後の2日間で何とか形にしたいと思っていましたが、アーティスト達は作りながらより良い方法を見つけ出す、といった感じで、新製品バナナペーパー・ランプシェードは、日本で思い描いていたものより素敵な、ルワンダらしい作品に仕上がりました。
ルワンダの家庭には少なくとも1個や2個は必ずある、フタ付きバスケット(アガセチェ)のイメージを取り入れたものです。そんなアガセチェを見て育った彼らだからでしょうか?「必ず人気商品になる」と嬉しそうに話していたので、期待できそうです。

【東日本大震災の追悼に参加】

スタジオでの作業を済ませたあと、キガリのレジナ・バプティスト教会へと向かいました。東日本大震災5年目の追悼を、福島在住で丁度帰国されているマリールイーズさんが中心となり、同教会で行われたからです。

日本人の参加者はあまり多くはありませんでしたが、参加した子供達は、大震災の事を、被害者・被災者の事を事前に学び、「Japan・Rwanda」と書かれた大きなパネルを掲げて祈っていました。パネルには、被災地の子供に寄せられる思いが、可愛く描かれていて胸を打たれました。他のルワンダ人達も、私たち日本人に優しい眼差しを投げかけ、祈りを捧げる姿に、彼らの優しさそして思いやりを、あらためて感じました。