「BPクラフトの販路拡大(キガリ)」と「BPの安定供給(キブンゴ)」の連動を!

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※当レポートは、拙著「ルワンダに灯った希望の光 - 久美子のバナナ和紙」(2017年3月出版)http://hat.site-omakase.com/html/book.html の続きとなります。

ルワンダを訪問(5/30~6/7、2018)(17回目)

現在、キブンゴで職業訓練校の卒業生達がバナナ紙(BP)を生産し、キガリではアーティスト達がBPランプシェードやカードなどを作っています。次の課題は、「これらBPクラフトを更にプロモートし、販路拡大の流れを作ること」です。今回の訪問目的の第一は、この販路拡大の糸口として、キガリで毎月開催されている“Kigali Farmers & Artisans' Market” に出店し、今後半年間継続して出店する道筋を決めることです。

在ルワンダ日本大使館・宮下大使からランチに招待

到着翌日の5/31には、宮下大使からムギシャと共に大使公邸でのランチにご招待いただきました。ムギシャはかなり緊張気味でしたが、初めてにも関わらずお箸を上手に扱い、日本食を堪能しました。大使から、HATの活動について詳細な質問、またアドバイスをいただきました。大使ご夫妻またスタッフの皆様のご厚意に感謝しつつ思いを新たにしました。

Kagali “Farmers & Artisans’ Market (KFAM) ”で初出店

“Farmers & Artisans' Market”の初日(6/2)、今回初めてお披露目した“BPイヤリング”や“名刺入れ”などを加えて、ランプシェードやカードなどの商品を陳列し終えた頃、Market管理者のフローレンスさんも来てくれました。ムギシャは要領が分かってくると、積極的に接客し大いに刺激的な体験だったと思います。彼が作ったBPカードは約40~50枚ほど、イヤリングや名刺入れなどもそこそこ販売でき、彼は9万フラン強(教師の平均月収の約2倍)の売上金を得て元気いっぱい。マーケットの魅力を感じたようでした。 “Farmers & Artisans' Market”への継続的な参加が、次のステップへの確実なターニングポイントとなることを祈っています。

BP生産現場、キブンゴのルレンゲ・セクターへ

訪問目的の第二は、(キガリでの販売推進と同時に)、キブンゴにおいてBPの安定供給、つまり生産現場の拡充です。
キガリでのイベントの翌日6月4日・5日に、BP生産者のロバートとガサナに会うため、バスで3時間ほどのキブンゴへ。
ところが目的地が近づくにつれ急に豪雨と雷に見舞われ、急斜面の道路は水路のように。近年の異常気象の故か豪雨が続き、ルワンダ特有の傾斜地に立つ家々が流されたり、天井が抜けたりして犠牲者が出ており、政府は家を補強するよう、緊急支援を打ち出したとのことです。
そんな激しい雨にも関わらず、キブンゴに派遣されているJICA青年海外協力隊員の井垣さんが、ホテルSt.Joseph (セント・ジョセフ)に来てくれました。3人で夕食をとり話がはずみました。
なお、同ホテルは、2011年以来、キブンゴでの定宿ですが、水が出ないので歯磨きはミネラル水で、体は毎朝持ってきてくれる少量のお湯で拭いていました。今回泊まった新館には、シャワーは取り付けられていましたが、出たのは水のみでした(笑)
翌朝キブンゴからバスに15分ほど乗り、さらにバイクで10分ほど走った先が、目的地ルレンゲ・セクターのガサナの家です。
ガサナの泥壁の家には彼とロバートの他に、ガサナの奥さんと3名の男性が待っていました。外には子供達が集まり、ガサナやロバートの子供達も学校から帰ってきました。さらに両家の奥さんや姑など全員集合し、私達をジーッと見守っています。彼の(10畳ほど)家での紙漉き作業を想像すると、かなり手狭です。
かつて(2011年)キブンゴのコベパキ敷地内に作ったHAT工房は、強制立ち退き(2014年)に遭い、以後各自自宅で生産しています。今回、ガサナの家を訪れて、再び生産拠点を作ろうと改めて決意しました。BP生産と併せて、キブンゴでも付加価値の付く簡単なクラフト作りを教えてキガリで販売すれば、収入が安定し雇用を増やせます。
軌道に乗るまで時間はかかるかも知れませんが、ロバートやガサナ達のひたむきな姿勢、そして依頼していたBPの品質が向上していた点などから、さらに発展する可能性を確認しました。帰りには家族みんなが、ロバートの奥さんやお母さん(80歳)まで集まり、共に家族写真。そして最後まで見送ってくれました。

現地で、JICA協力隊員をはじめ、応援していただける方が……

私自身が、現地に継続的に滞在出来ないため、キガリでのプロモーション、およびキブンゴでの生産を、それぞれ応援してくれる人達の存在が無くてはなりません。
幸い、JICA事務所の所長はじめ、2人の担当職員の方達にアドバイスいただけることになり、また夫々の地で協力隊員をはじめ応援してくださる方々の見通しが出来ました。
この機会に今後のしっかりとした仕組みを築いていきたいと考えています。