建設進む「バナナペーパー工房」(キブンゴ)!
イベント出店で販路拡大(キガリ)!

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※当レポートは、拙著「ルワンダに灯った希望の光 - 久美子のバナナ和紙」(2017年3月出版)http://hat.site-omakase.com/html/book.html の続きとなります。

BPプロジェクトの新たな展開

前回の訪問時(7/25~8/2)では、キブンゴに再度工房を建てる段取りにようやく至ったこと、また6月からキガリで毎月開催されているキガリ・ファーマーズ&アーティザンズ・マーケット(KFAM)への出店についてレポートしましたが、活動が進むにつれて、これまでの短期間の訪問で繋げてきた取組みの限界を、いよいよ強く感じるようになりました。特に出店、販売となると、毎回の収支、商品の采配、また顧客の反応や今後の展開など、キガリ在住でなければ対応できなくなってきました。

竹田憲弘さん(JICA青年海外協力隊員OB、キガリ在住)の協力

幸いJICA青年海外協力隊員OBで、9月にキガリで旅行代理店 “Africa Note Ltd.” を起業された竹田憲弘さんに協力していただけることになりました。
6月以降毎回出店している“KFAM”を通して、バナナペーパーへの認識が少しずつ高まりつつありますが、9月から、竹田さんにキガリそしてキブンゴでのBPプロジェクトを応援いただいています。

ロゴマークを作成

竹田さんがルワンダへ出発される直前、東京で打合せをした際、「ロゴマークはないのですか?」と質問され、そこに意識が無かったことに気付かされました。そして考えたのが以下です。
9月以後、このロゴマークを展示して販売していますが、竹田さんのレポートには「BPに印刷された大きなロゴを見てバナナペーパーでつくっているんだね!」と興味をもつ人も多かったので、ロゴの効果を実感しました」と。

キガリ・アートフェスティバル(KAF)に初出店

KAFはJICA青年協力隊員と現地のアーティストが協働で運営されています。第4回目の今年は9月22日に開催され、HATは初めて出店しました。
事前の「イベント案内」にもHATの取組みを紹介していただき、JICA協力隊員の真心の応援に支えられ、多くの方がブースに立ち寄られました。ムギシャが担当してBPクラフト(カード、イヤリング、ペンケース、パス・ケース)など、計149,000フラン(平均月収の3~4倍ほど)の売上げだったとの報告でした。

キガリ・ファーマーズ&アーティザンズ・マーケット(KFAM)に毎回出店。新たな販路拡大も……。

KFAMには6月から継続して出店していて、バナナペーパーへの認識が徐々に広がりつつあります。売上額は会場により異なりますが、ランプシェードのオーダーメイドの注文や、ムギシャの名刺を持って行かれ、後日に注文があったりと、漸く認知されつつあるのを感じます。竹田さんのレポートには「カード作りを体験できる簡単なワークショップなどがあっても良いかもしれません」との提案も。
また、竹田さんの紹介で、日本食レストラン「KISEKI(キセキ)」店内へのランプシェードの導入および店頭販売と、新たな販路拡大が叶いました。レポートには「キセキの客層は富裕層であるため、BP作品においても高い収益性が見込めます」と。

「BP工房」の建設進む(キブンゴ)

今までは、ガサナの自宅と前庭を使ってBPを作製していましたが、彼の自宅に隣接して専用の工房を建てて、より多くの上質なBPを、雇用を増やして生産したいと考えています。
前回の訪問時(7月末)に一時金を渡しましたが、その後どこまで進んでいるのか気掛かりでした。今回10月21日に竹田さんと奥さん、そしてキブンゴに派遣されているJICA青年海外協力隊員の井垣智志さんが、ロバートとガサナが待つキブンゴを訪問し、現状の確認と完成までの具体的な話し合いをしてくれました。

皆さん、覚えていますか? コベパキの“チャレス”が……!!

大変嬉しいことに、バナナペーパープロジェクトを初めて立ち上げた時(2011年)のパートナー、コベパキ(キブンゴ手工芸品協同組合)の中心的アーティスト、チャレスが、現在もBPクラフトを作成・販売していたのです。
実は、ホテル建設で最初の工房は2014年に強制立退きとなり、コベパキの新たな店舗ではBPクラフトの取り扱いを終えたと考えていました。
しかし、竹田さんによると、「チャレスはBPカードをKayonza Women Opportunity Centre(カヨンザ女性就労機会奨励センター), Kigali Genocide Museum (キガリ虐殺記念館), ムムジのショップ(ンゴマ郡中心地の店舗)など3ケ所に継続的に卸しており、ビジネスは十分成り立っているようです」と。
そして「BPプロジェクトにぜひ参加したいと言っています。コベパキに関係なく個人で活動するのはOKです」とも。また「チャレスの作ったポストカードの質はとても良く、BPにバナナの葉などを利用した100%バナナ・カードがおしゃれでした」との嬉しい報告でした。
チャレスの参加で、BPの新たな魅力が引き出され、より多くの人にアピールできそうです。
キガリの竹田さん、キブンゴの井垣さん、そして支援してくださる全ての皆様に感謝しつつ、ようやく動き始めようとしているキガリ、キブンゴの2つの歯車が確実に回転し続けるよう、継続的に油を注いでいこうと考えています。