バナナペーパー・クラスで、スキル習得に真剣な受講生達

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“バナナの里”キブンゴの職業訓練学校(NDABUC Ltd.)に、BPコースを開設

これは、同校校長Houssein氏から、「我が校に、バナナペーパー・コースを新設したい。HATが進めるBPプロジェクトを、是非とも生徒に教えて欲しい。」との強い要請があり、2016年3月のルワンダ訪問時に、現地キブンゴで関係者とお会いし、講師、設備、道具類の用意などについて、打合せを行いました。

http://hat.site-omakase.com/html/ruwanda/rwanda_160302.html

授業は、5月~6月、第1期の受講生25名

5月初めに開始するBPコースは、先ずバナナペーパー作り(繊維取り出し・煮熟・叩解・パルプ紙漉き)の習得です。これは、「コべパキ(キブンゴ手工芸品販売協同組合)」でBP作りに携わった女性達(ジャネット、エルネスティン)に、道具を持ち込んで担当してもらいました。(このミキサーや道具類は、かつてHATが彼女達に贈与したものです)
そして、6月は、生徒達が漉いたBPを使い、各種クラフト作りを学びます。これは、キガリのアーティスト達が、交代でキブンゴ(バスで片道2時間)に通い教えます。

そして私は、5月(BP作り)と6月(クラフト作り)の間に、5月の授業内容、そして6月のカリキュラムを確認するため、また生徒たちの様子を見るために、現地で購入できない備品や道具を日本から携え、同校を訪問しました。
果たして、依頼通り、上質の100%バナナ繊維のペーパーは出来ているか?心配でしたが、同校を訪問した初日(5/30)に見たものは、古紙(ダンボール)を混ぜたBPでした。一ヶ月かけてこれ?ガッカリです。このため、当初考えていたクラフト作りは出来ません。

急遽予定を変更し、ピュア・バナナペーパー作り

慌てて予定を変更し、翌週(6/6~)のクラフト作りの授業に支障をきたさないよう、生徒達と共に紙作り作業です。受講生達は、幸い既に経験しているので、すぐに取り掛かりました。2日間、基本となる木枠作り・ネット張り、繊維取り出しからプレスまで、各工程を修正・確認しながら全力をあげました。工程の中で特に厳しいのが叩解です。繊維をハンマーなどで叩く場合、台となる、例えばステンレスや御影石の様な、固い石や板が必要ですが、ルワンダには無いのです。サラサラした赤土で覆われているルワンダでは、その土で創るレンガも、少し力を入れて叩くと簡単に壊れます。
学校では、木で作ったハンマーと、やはり自分達で作った木の台を使って叩解していました。これでは、実は、固いバナナ繊維を潰すのは、厳しいのです。そこで、ブレンダーを効率良く使う方法を確認しました。
生徒達と、ブレンダーの使用時間によって異なる繊維の感触、Before & After を、ブレンダーに指を入れて、感覚で覚える様に指導しました。ただし、ブレンダーに負荷がかかりすぎると、すぐ壊れてしまいます。
この方法で上質のBPが、長期にわたり生産されることを願っています。
短期間で、また限られた環境・条件の中で、上質のピュアBP作りのスキルを習得することは簡単ではありません。しかし、受講生達は真剣です。そんな彼らの素顔や状況を垣間見るほどに、「BPクラフト製品を、自身で生み出す工夫および技術を、何としても身につけて欲しい!」との思いを強くしました。

私の訪問した様子は、地元紙“Imvaho Nshya (both Print & Online Rwandan Prominent News Media”に紹介されました。残念ながら現地語(キニヤルワンダ)ですが、唯一「Kumiko Tsuda 'umuyapanikazi (a Lady from Japan)」だけは読めます。

6/6~、アーティスト達(キガリ)が担当し、BPクラフト作りの実習が開始

6/6から、急遽作り直したピュアBPを使って、クラフト作りの授業が始まりました。第1週、第2週の担当は、セルセです。彼から、早速写真が送られてきました。この授業の後はランプシェード作りを学びます。

ンゴマ郡地域(キブンゴを含むエリア)の展示会に、受講生たちの作品を出品

6/12、Houssein校長より「6/22~28、ンゴマ・スタジアムで開催される展示会に、受講生たちのBPクラフト作品が出品される」との嬉しいニュースが届きました。

どの程度のものを作れるのか、若干心配な点はありますが、Made in Rwanda商品として、来場者から高い評価が得られれば、彼らの大きな励みになると思います。指導するセルセに種々アドバイスしながら応援したいと思います。